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第22問 債務の履行

第22問 債務の履行について

債務の履行について、次の選択肢が、それぞれ正しいか否かを答えなさい。

1.

自動車修理業者であるX社は、運送会社であるY社から、Y社が所有する甲トラックを修理する旨の依頼を受け、その修理を完了し、保管している。Y社は修理代金の支払期日を経過した後も、その支払いを滞納している。(X社とY社の間には留置権に関する特段の合意はない)この場合、以下の記述は正しいか。

X社は、Y社から修理代金の支払いを受ける前であっても、Y社から甲トラックの返還請求を受けたときは、直ちに甲トラックをY社に返還しなければならない。

チェック!

誤り
商人間においてその双方のために商行為となる行為によって生じた債権が弁済期にあるときは、債権者は、その債権の弁済を受けるまで、その債務者との間における商行為によって自己の占有に属した債務者の所有する物または有価証券を留置することができる(商事留置権、商法521条本文)。本肢では、商人であるX社は、商人であるY社から修理依頼を受けて甲トラックを占有するに至っているから、Y社から弁済を受けるまでは、甲トラックを留置することができる。留置権は、支払いを受けるまでその物の引渡しを拒むことができる権利であるから、仮にY社から甲トラックの返還請求を受けたとしても、支払いを受けるまでは甲トラックをY社に返還する必要はない。

2.

自動車修理業者であるX社は、運送会社であるY社から、Y社が所有する甲トラックを修理する旨の依頼を受け、その修理を完了し、保管している。Y社は修理代金の支払期日を経過した後も、その支払いを滞納している。(X社とY社の間には留置権に関する特段の合意はない)この場合、以下の記述は正しいか。

Y社は、X社に修理代金を支払うことなく、第三者であるZ社に甲トラックを譲渡した。この場合、X社は、Z社から甲トラックの引渡しを請求されても、修理代金の弁済を受けるまでは、留置権を行使して甲トラックの引渡しを拒むことができる。

チェック!

正しい
X社は甲トラックにつき留置権を有している。留置権は物権であるから、その後に目的物を取得した第三者にも留置権を対抗し、Y社から修理代金の支払いを受けるまでは、甲トラックの引渡しを拒むことができる。

3.

自動車修理業者であるX社は、運送会社であるY社から、Y社が所有する甲トラックを修理する旨の依頼を受け、その修理を完了し、保管している。Y社は修理代金の支払期日を経過した後も、その支払いを滞納している。(X社とY社の間には留置権に関する特段の合意はない)この場合、以下の記述は正しいか。

X社は、Y社から修理代金が支払われる前に、甲トラックをY社に引き渡した。この場合であっても、甲トラックに成立していた留置権は存続する。

チェック!

誤り
留置権は、留置権者が留置物の占有を失うことによって消滅する(民法302条本文)。したがって、X社がY社に甲トラックを引き渡すと、留置権は消滅する。

4.

自動車修理業者であるX社は、運送会社であるY社から、Y社が所有する甲トラックを修理する旨の依頼を受け、その修理を完了し、保管している。Y社は修理代金の支払期日を経過した後も、その支払いを滞納している。(X社とY社の間には留置権に関する特段の合意はない)この場合、以下の記述は正しいか。

Y社が修理代金を支払わない場合、X社は、裁判所の競売手続を経ずに留置権を実行して、甲トラックの所有権を取得することができる。

チェック!

誤り
X社は、留置権を私的に実行し、目的物の所有権を取得することは認められていない。

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