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第7問 売買契約

第7問 売買契約について

売買契約について、次の選択肢が、それぞれ正しいか否かを答えなさい。

1.XとY社との間の売買契約では、Y社がXに甲を引き渡すべき場所について定められていなかった。この場合、商法上、Y社は、契約締結時に甲が存在した場所で甲をXに引き渡すこととなる。
チェック!

誤り
商法上、商行為によって生じた債務の履行をすべき場所がその行為の性質または当事者の意思表示によって定まらないときは、特定物の引渡しはその行為の時にその物が存在した場所において、その他の債務の履行は債権者の現在の営業所(営業所がない場合にあっては、その住所)において、それぞれしなければならないものとされている(商法516条1項)。

2.XとY社との間の売買契約では、Xは、Y社からXへの甲の引渡しと引換えに甲の代金をY社に支払う約定となっていた。この場合Xは、代金の支払期日が到来し、Y社から代金の支払いを請求されても、Y社が甲の引渡義務の履行の提供をするまでは、Y社に対し同時履行の抗弁を主張して代金の支払いを拒むことができる。
チェック!

誤り
双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務の履行を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができ (民法533条)、同時履行の抗弁権と呼ばれる。したがって、甲自動車の引渡しと引き換えに甲自動車の代金を支払うとの約定となっている場合には、Y社が甲自動車の引渡債務の履行の提供をしないうちは、代金の支払期日が到来しても、XはY社に対する代金の支払いを拒むことができる。

3.XとY社との間の売買契約では、Y社は、契約締結日の1週間後に、Xの自宅でXに甲を引き渡す約定となっていた。しかし、契約締結の翌日に、Y杜の過失により甲を保管していた店舗で火災が発生し、甲は全焼した。この場合、Xは、甲の引渡しにつき履行の催告をしなくても、Y社との間の売買契約を解除することができる。
チェック!

誤り
債務の履行の全部または一部が不能となった場合において、その債務の不履行が債務者の責めによるものであるときは、債権者は、契約の解除および損害賠償請求をすることができるとされており(民法543条、545条)、また、解除するために履行の催告は不要である。本肢では、甲自動車が焼失したのは、Y社の過失により甲自動車を保管していた店舗で火災が発生したことが原因であるから、Y社に履行不能となったことについて帰貫性があるといえ、Xは、甲自動車の引渡しにつき履行の催告をしなくても、Y杜との間の売買契約を解除することができる。

4.XとY社との間の売買契約では、Y社は、Xからの代金支払いに先立って、Xの自宅において甲を引き渡す約定となっていた。Y社は、約定の期日に、甲をXに納車するため、Xの自宅を訪れ甲を引き渡そうとしたが、Xが甲の受領を拒絶したため、約定の期日に甲をXに引き渡すことができなかった。この場合、Y社は、Xに対し、甲を引き渡していないことにつき履行遅滞による債務不履行責任を負う。
チェック!

正しい
債務者が負っている債務が持参債務で、ある場合、債務者が約定の期日に弁済をすべき所定の場所に目的物を持参すれば、債務の本旨に従った現実の弁済の提供があったものということができ(民法493条)、弁済の提供の効果として、債務者は弁済の提供の時から、債務の不履行によって生ずべき一切の責任を免れることとなる(民法492条)。したがって、Y社が、約定の期日に、甲自動車をXに納車するためXの自宅を訪れ甲を引き渡そうとしたが、Xが甲自動車の受領を拒絶したために約定の期日に甲自動車をXに引き渡すことができなかった場合には、Y社は、現実に甲自動車をXに引き渡していなくとも、履行遅滞による債務不履行責任を負わない。

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