1週間で受かる ビジネス実務法務検定3級 過去問演習

1週間で受かる ビジネス実務法務検定3級 過去問演習 - ビジネス実務法務検定3級に1週間で受かるように問題演習ができるサイトです。

第13問 意思表示

第13問 意思表示について

意思表示について、次の選択肢が、それぞれ正しいか否かを答えなさい。

1.Aは、A所有の甲不動産を売却するつもりでいたのに、要素の錯誤により、Bとの間で、A所有の乙不動産をBに売却する旨の売買契約を締結し、所有権移転登記を経た。当該錯誤につきAに重大な過失があった場合であっても、Aは、Bに対し、当該売買契約の無効を主張し、乙不動産の所有権を主張することができる。
チェック!

誤り
要素の錯誤に基づく売買は原則として無効であるが(民法95条本文)、その錯誤が表意者の重大な過失に基づく場合には、表意者が無効を主張することはできない(民法95条但書)。Aは、重大な過失により誤って乙不動産を売却しているので、Bに無効を主張することはできない。

2.Aは、Bと通謀してA所有の甲不動産をBに売却する旨の虚偽の意思表示をし、所有権移転登記を経た。その後、Bは、この事情を知らないCに甲不動産を売却し、所有権移転登記を経た。この場合、Aは、Cに対しAとBとの間の売買契約の無効を主張し、甲不動産の所有権を主張することができない。
チェック!

正しい
AとBとの間の売買は、通謀虚偽表示に当たり無効であるが、その無効は、善意の第三者に主張できない(民法94条)。

3.Aは、Bに強迫されてA所有の甲不動産をBに売却し、所有権移転登記を経た。その後、Bは、この事情を知らないCに甲不動産を売却し、所有権移転登記を経た。この場合において、Aが、強迫による意思表示を理由にBとの間の売買契約を取り消したとしても、Aは、Cに対して甲不動産の所有権を主張することができない。
チェック!

誤り
Aは、Bの強迫によって行われたAとBとの間の売買を取り消すことができる(民法96条1項)。この強迫に基づく取消しは、詐欺の場合と異なり、善意の第三者に対しても主張することができる。

4.Aは、BにだまされてA所有の甲不動産をBに売却し、所有権移転登記を経た。その後、Bは、この事情を知らないCに甲不動産を売却し、所有権移転登記を経た。この場合において、Aが、詐欺による意思表示を理由にBとの間の売買契約を取り消したときは、Aは、Cに対して甲不動産の所有権を主張することができる。
チェック!

誤り
Aは、Bの詐欺によって行われたAとBとの間の売買を取り消すことができる(民法96条1項)。ただし、この取消しは、善意の第三者に対しては主張できない(民法96条3項)。したがって、善意のCに対しては、Aは甲不動産の所有権を主張することはできない。

2m
PAGETOP