第19問:正誤問題10問

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正誤問題

正誤問題10問について、次の各文が正しいか否かを答えてください。

1.商人Aは、その営業の範囲内で、商人Bとの間で委任契約を締結し、Bから委任された事務の処理を行った。この場合、Aは、Bとの間に報酬を受け取ることができる旨の特約がない限り、Bに報酬を請求することができない。
❌ 誤り
商人がその営業の範囲内において他人のために行為をしたときは、相当な報酬を請求することができる(商法512条)。
2.意匠登録を受けた意匠について、第三者が意匠権者よりも早く同じ意匠を創作したことを証明すれば、意匠登録は取り消され、当該第三者が改めて意匠権の設定登録を受けることができる。
❌ 誤り
同一または類似の意匠について異なる日に2つ以上の意匠登録出願があったときは、最も先に出願した出願人のみが意匠登録を受けることができる(先願主義、意匠法9条1項)。本肢は、第三者が意匠権者より早く同じ意匠を創作したことを証明すれば、後から出願しても先の意匠登録が取り消されるとしている点で誤っている。
3.根抵当権は、被担保債権について一定の極度額を定めて、その極度額の限度で、一定の範囲に属する不特定の債権を担保する抵当権である。
✅ 正しい
根抵当権は、被担保債権について一定の極度額を定めて、その極度額の限度で、一定の範囲に属する不特定の債権を担保する抵当権である(民法398条の2第1項)。
4.割賦販売法上、割賦販売業者は、割賦販売の方法により指定商品を販売しようとするときは、その相手方に対して、現金販売価格や割賦販売価格などの所定の事項を書面の提示等により示さなければならない。
✅ 正しい
割賦販売法上、割賦販売業者は、割賦販売の方法により指定商品の販売を行う場合には、その相手方に対して、経済産業省令・内閣府令で定めるところにより、商品の現金販売価格、商品の割賦販売価格等を示さなければならない(割賦販売法3条1項)。
5.裁判所に提起されたすべての訴訟は、私人と私人との間の法的紛争の解決を目的とする民事訴訟と、行政権の行使その他の公法上の権利関係についての争いを解決することを目的とする行政訴訟のいずれかに分けられる。
❌ 誤り
訴訟には、民事訴訟と行政訴訟以外にも、国家が私人に対して刑罰権を行使するか否かを定める刑事訴訟もある。
6.会社法上、株式会社の支配人は、当該株式会社の許可を受けなければ、他の会社の取締役、執行役または業務を執行する社員となることができない。
✅ 正しい
株式会社の支配人は、当該株式会社の事業について様々な機密を知り得る地位にあるため、会社法上、当該株式会社の許可を受けなければ、他の会社の取締役、執行役または業務を執行する社員となることができない(会社法 12条1項4号)。
7.銀行の融資担当役員が事実上破綻状態にある取引先に、十分な担保をとらずに融資をした結果、当該銀行に損害が生じた。この場合、当該役員は、当該銀行に対する損害賠償責任を負うだけでなく、特別背任罪に問われる可能性がある。
✅ 正しい
銀行の融資担当役員が、取引先が事実上破綻状態にあることを知りながら、会社に損害を加える目的または第三者の利益を図る目的で、融資を行った場合には、特別背任罪が成立し得る(会社法960条 1項)。
8.労働者派遣法上、派遣元事業主と派遣先との間で労働者派遣契約が締結されると、これにより、派遣元事業主と派遣労働者との間の労働契約が消滅するとともに、派遣先と派遣労働者との間の労働契約が成立する。
❌ 誤り
労働者派遣法上、派遣元事業主と派遣先との間で労働者派遣契約が締結されても、派遣先と派遣労働者との間に労働契約が成立するわけではない。
9.遺留分権利者は、被相続人の配偶者、子および兄弟姉妹に限られ、被相続人の直系尊属は遺留分権利者に含まれない。
❌ 誤り
遺留分が認められているのは、相続人のうち兄弟姉妹以外の者に限られる(民法 1028条)。
10.賭博行為の賭け金として支払った金銭は、不法原因給付に当たる。したがって、賭博行為の賭け金として金銭を支払った者は、賭博行為が公序良俗に反して無効であることを理由として、当該金銭につき、不当利得に基づく返還請求をすることができない。
✅ 正しい
賭博行為のように、公の秩序または善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は無効であるが(民法90条)、不法な原因のために給付をした者は、原則として、その給付したものの返還を請求することができない(不法原因給付、民法708条)。これは、不法な原因によるものであることを知りつつその給付を行った者に対して、法は助力しないという趣旨である。