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第4問 売買契約の締結

第4問 売買契約の締結について

売買契約の締結について、次の選択肢が、それぞれ正しいか否かを答えなさい。

1.

XはY社との間で、Y社所有の中古住宅甲を購入する旨の売買契約を締結した(なお、Xは商法上の商人ではないものとする)この場合、以下の記述は正しいか。

本件売買契約が成立した後、Y社がXに甲を引き渡す前に、甲は、第三者の放火により全焼し、Y社は、Xに対し、甲を引き渡すことができなくなった。この場合、本件売買契約に危険負担に関する特約がなければ、民法上、Y社は、Xに対して、甲の代金の支払いを請求することはできない。

チェック!

誤り
甲は中古住宅であり、当事者がその個性に着目して取引を行った特定物であるから、危険負担の債権者主義により、甲住宅が滅失するリスクは債権者であるXが負担することとなり、債務者であるY社は、その反対給付たる代金支払請求権を失わない(民法534条 1項)。

2.

XはY社との間で、Y社所有の中古住宅甲を購入する旨の売買契約を締結した(なお、Xは商法上の商人ではないものとする)この場合、以下の記述は正しいか。

本件売買契約が成立した後、Y社がXに甲を引き渡す前に、甲は、Y社の従業員のたばこの火の不始末により全焼し、Y社は、Xに対し、甲を引き渡すことができなくなった。この場合において、Xが本件売買契約を解除するには、民法上、Xは、Y杜に対して、履行の催告をすることが必要である。

チェック!

誤り
履行遅滞に基づく契約解除の場合(民法541条)とは異なり、履行不能の場合(民法543条)には、履行はそもそも不可能であり、もはや催告によって履行を促す意味がないため、契約を解除するのに履行の催告は必要とされていない。

3.

XはY社との間で、Y社所有の中古住宅甲を購入する旨の売買契約を締結した(なお、Xは商法上の商人ではないものとする)この場合、以下の記述は正しいか。

甲には、本件売買契約が成立する前から存在していた隠れた瑕疵が原因で雨漏りがするという欠陥があり、Xは、Y社から甲の引渡しを受けた後にこの瑕疵を発見した。この場合、民法上、Xは、Y社に対して、瑕疵担保責任を追及して損害賠償を請求することはできない。

チェック!

誤り
甲には、契約成立前より隠れた瑕疵が存在していることから、買主であるXは、売主であるY社に対して、瑕疵担保責任を追及して損害賠償請求をすることができる。

4.

XはY社との間で、Y社所有の中古住宅甲を購入する旨の売買契約を締結した(なお、Xは商法上の商人ではないものとする)この場合、以下の記述は正しいか。

本件売買契約で定められた甲の引渡期日が到来したが、Y社は、正当な理由なく、Y社の従業員の過失により、Xに甲を引き渡すことができなかった。この場合、民法上、Xは、Y社に対して、甲の引渡しが遅れたことによる損害の賠償を請求することができる。

チェック!

正しい
本肢において、甲を引き渡すことができなくなったのはB社の従業員の過失によるものである。従業員のように、債務者が履行にあたって使用する者を履行補助者といい、 履行補助者の過失は債務者の過失と同視される。したがって、従業員の過失はY社の過失と同視され、引渡しが遅れたことについてB社に帰責事由があるといえるため、 Y社は、Xに対して債務不履行に基づく損害賠償責任を負う(民法415条)。

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