1週間で受かる ビジネス実務法務検定3級 過去問演習

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第19問 正誤問題

第19問 正誤問題について

正誤問題10問について、次の選択肢が、それぞれ正しいか否かを答えなさい。

1.一人の債務者に対し、担保権を有しない債権者が複数存在し、債務者の有する財産ではすべての債権者が債権全額の弁済を受けることができない場合、債権の種類、内容、履行期には関係なく、債権の発生の先後により債権者間の優劣が決せられるため、債権の発生時期の早い者が他の債権者に優先して弁済を受けることができる。
チェック!

誤り
1人の債権者に対し、担保権を有しない債権者が複数存在する場合、各債権者間には優劣の関係がない。すなわち、各債権者は、その債権の発生原因や発生時期の前後によって差別されずに、平等に弁済を受けることができる。すなわち、各債権者は、各債権額に応じて按分した額の配当を受けることができる。これを債権者平等の原則という。

2.Aは、Bから住宅を購入する旨の売買契約を締結し、民法上の解約手付として200万円をBに交付した。この場合、Aは、Bから当該住宅の引渡しを受け移転登記を経た後であっても、この200万円を放棄すれば、当該売買契約を解除することができる。
チェック!

誤り
解約手付は、売買契約の当事者が契約を解除する権利を留保する趣旨で授受される手付であり、当事者の一方が契約の履行に着手するまでは、買主は手付を放棄することにより、売主は手付の倍額を買主に償還することにより、それぞれ契約を解除することができる。本問において、AがBから住宅の引渡しを受け移転登記を経た後は、Bはすでに契約の履行に着手したといえるため、Aはもはや手付を放棄することにより契約を解除することはできない。

3.ある事項について規定する一般法と特別法が存在する場合、特別法が一般法に優先してその事項に適用される。
チェック!

正しい
法律は、その適用領域が限定されているか否かによって、一般法と特別法に分類することができる。ある事項について規定する一般法と特別法が存在する場合、特別法は、一般法に対する特別であり、一般法に優先して適用される。

4.健康増進法上、学校、病院、飲食店などの多数の者が利用する一定の施設の管理者は、これらの施設を利用する者の受動喫煙を防止するために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
チェック!

正しい
学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、事務所、官公庁施設、飲食店その他の多数の者が利用する施設を管理する者は、これらを利用する者について、受動喫煙を防止するために必要な措置を講ずるように努めなければならない(健康増進法25条)。

5.労働組合法上、会社の従業員は、当該会社に申請しその承認を得なければ労働組合に加入することはできないとされている。
チェック!

誤り
労働組合は、労働者が自主的に組織する団体であるから、その結成や加入にあたって使用者の承認等は必要ない。

6.夫婦が離婚したときは、夫婦のうち婚姻に際して改氏した者は、婚姻前の氏に復することとなり、いかなる場合でも離婚後は婚姻中に称していた氏を称することはできない。
チェック!

誤り
婚姻によって氏を改めた夫または妻は、離婚によって婚姻前の氏に復するが、婚姻前の氏に復した夫または妻は、離婚の日から3ヶ月以内に戸籍法の定めるところにより届け出ることによって、離婚の際に称していた氏を称することができる(民法767条・ 771条)。

7.特定非営利活動促進法上の特定非営利活動法人(NPO法人)は、保健、医療または福祉の増進を図る活動等であって、不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与することを主たる目的とするものについて設立することができる。
チェック!

正しい
特定非営利活動促進法上の特定非営利活動法人(NPO法人)とは、特定非営利活動を行うことを主たる目的とし、所定の要件を充たし、特定非営利活動促進法の定めるところにより設立された法人をいう(特定非営利活動促進法2条2項)。ここにいう特定非営利活動とは、i)保健、医療または福祉の増進を図る活動、ⅱ)社会教育の推進を図る活動、ⅲ)まちづくりの推進を図る活動など所定の活動であって、不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与することを目的とするものをいう(特定非営利活動促進法2条1項)。

8.自動車損害賠償保障法上、運行供用者が負う損害賠償責任は、運行供用者が自ら自動車を運転していた場合に限り成立する。
チェック!

誤り
自動車損害賠償保障法上の運行供用者は自動車の運転者とは異なる概念であり、例えば、自動車の所有者は、自ら自動車を運転していた場合だけでなく、他人に運転をさせていた場合にも、運行供用者として損害賠償責任を負うことがある。

9.仮登記担保法上、仮登記担保権者は、裁判所の競売手続によらずに、仮登記担保権を実行することができる。
チェック!

正しい
仮登記担保は、債務者が債務を履行しない場合に、代物弁済により債権を回収するものであり、その実行は裁判所の手続によらずに行うことができる。

10.特定商取引法は、商品の販売にかかる取引のみに適用される法律であり、権利の販売や役務の提供にかかる取引には適用されない。
チェック!

誤り
特定商取引法は、訪問販売や通信販売など、一般の売買契約とは異なる販売形態や、契約内容や条件に特殊なものを含む販売形態などについて規制するものであり、商品の販売にかかる取引のみならず、権利の販売や役務の提供にかかる取引にも適用される(特定商取引法2条)。

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