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第4問 代理権

第4問 代理権について

代理権について、次の選択肢が、それぞれ正しいか否かを答えなさい。

1.

Aは、Bの代理人として、土地を購入する旨の売買契約を締結することを内容とする代理権を付与されている。この場合、以下の記述は正しいか。

Aは、Bから2000万円以下の価格の土地を購入する代理権を付与されていたが、Bの代理人としてCとの間で甲土地を3000万円で購入する旨の売買契約を締結した。この場合、Cは、本件売買契約の締結がAの代理権の範囲内の行為であると信じ、かつそう信じたことについて正当な理由があるときは、表見代理の成立を主張することができる。

チェック!

誤り
代理人がその権限外の行為をした場合において、第三者が代理人の権限があると信ずべき正当な理由があるときについては、表見代理が成立し、本人がその責任を負い、代理人の権限外の行為の効果が本人に及ぶ(民法 110条)。

2.

Aは、Bの代理人として、土地を購入する旨の売買契約を締結することを内容とする代理権を付与されている。この場合、以下の記述は正しいか。

Aは、Bから代理権を付与された後、その代理権の範囲内で、Bのためにすることを示さず、Cとの間で甲土地を購入する旨の売買契約を締結した。この場合、Cが、AがBのために本件売買契約を締結したことを知っていたときは、本件売買契約の効果はBに帰属する。

チェック!

誤り
代理人が本人のためにすることを示さないでした意思表示については、代理人が本人のためにすることを相手方が知っている場合には、相手方に不測の事態は生じないことから、代理人が行った意思表示の効果は本人に帰属する(民法 100条)。

3.

Aは、Bの代理人として、土地を購入する旨の売買契約を締結することを内容とする代理権を付与されている。この場合、以下の記述は正しいか。

Aは、土地を購入するにあたって、Bの代理人と称して、D銀行から融資を受ける旨の金銭消費貸借契約をD銀行との間で締結したが、Bから金銭消費貸借契約の締結については代理権を付与されていなかった。この場合、D銀行は、Aに金銭消費貸借契約を締結する代理権がないことを知っていたときは、Bに対し本件金銭消費貸借契約を追認するか否かを催告することはできない。

チェック!

正しい
無権代理があった場合、相手方は、本人に対し、相当の期間を定めて、その期間内に追認をするかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる(民法114条)。この催告は、相手方が代理権がないことを知っていたか否かにかかわらず行うことができる。

4.

Aは、Bの代理人として、土地を購入する旨の売買契約を締結することを内容とする代理権を付与されている。この場合、以下の記述は正しいか。

Aは、Bの代理人と称して、Cとの間で乙建物を購入する旨の売買契約を締結した。この場合において、Cは、Aに乙建物の購入に関する代理権がないことを知っていたときは、無権代理を理由に本件売買契約を取り消すことができない。

チェック!

誤り
代理権を有しない者がした契約は、本人が追認をしない間は、相手方が取り消すことができる。ただし、契約の時点で、相手方が、無権代理人に代理権がないことを知っていたときは、取り消すことはできない(民法 115条)。

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