第16問 独占禁止法
第16問 独占禁止法について
独占禁止法により禁止される行為について、次の選択肢が、それぞれ正しいか否かを答えなさい。
1.建設業者であるA社とB社は、甲市における公共工事の指名競争入札にあたり、事前の両社間の協議によって、A社が最低の価格で落札することを取り決め、この協定に従ったことにより、公共の利益に反して、甲市の公共工事の指名競争入札における競争を実質的に制限した。この場合のA社とB社の行為は、不当な取引制限には該当せず、独占禁止法に違反することはない。
チェック!
誤り
A社とB杜による本肢に記載の行為は、当該公共工事の対価を決定する行為、すなわち談合である。そして、A社らは、談合によって公共の利益に反して、甲市の公共事業の指名入札という市場における競争を実質的に制限したというのだから、A社らの行為は、不当な取引制限に該当し、独占禁止法に違反する(独占禁止法2条6項・3条)。
2.甲市内で家電量販店を営むA社、B社およびC社は、協定により、同一の取扱商品について、その価格を値引きする場合には、値引き額を絶えず同一の額とすることを取り決め、この協定に従ったことにより、公共の利益に反して、当該商品の市場における競争を実質的に制限した。この場合のA社、B社およびC社の行為は、不当な取引制限に該当し、独占禁止法に違反する。
チェック!
正しい
A社、B社およびC社による本肢に記載の行為は、当該取扱商品の対価を維持する行為である。そして、A杜らは、当該行為によって公共の利益に反して、当該商品の市場における競争を制限したというのだから、A杜らの行為は、不当な取引制限に該当し、独占禁止法に違反する(独占禁止法2条6項・3条)。
3.食品の卸売業者であるA社は、小売店Bに対し、取引を行う際の条件として、不当に、A社の競争事業者であるC社と取引をしないことを定めることにより、 C社の取引の機会を減少させた。この場合のA社の行為は、排他条件付取引に該当し、独占禁止法に違反する。
チェック!
正しい
A社が取引の相手方である小売店Bに対して行った本肢に記載の行為は、不公正な取引方法のうち、排他条件付取引に該当し、独占禁止法に違反する(独占禁止法19条、一般指定11項)。
4.日用雑貨の製造会社であるA社は、A社から購入した製品を消費者に販売している小売店Bに対し、正当な理由がないのに、消費者に対するA社製品の販売価格を指定しその価格で販売することをBに強制した。この場合のA社の行為は、再販売価格の拘束には該当せず、独占禁止法に違反することはない。
チェック!
誤り
A社が小売店Bに対して行った本肢に記載の行為は、不公正な取引方法のうち、再販売価格の拘束に該当し、独占禁止法に違反する(独占禁止法2条9項4号・19条)。